唐津焼の種類

唐津焼の種類

唐津焼の種類とか名称は装飾方法や焼成方法などにより呼び習わされています。また、作者自身の思いなども重要な部分を占めますので、多少名称が変わるかもしれません。

◇無地唐津
無地唐津
◇無地唐津(むじからつ)とは、唐津ともいい、絵がなく明るい上薬がかかり黒唐津とは別のどこにも属さないものをいいます。
唐津焼は多種多様で土や上薬の違いで色もそれぞれですのでこうした分類の仕方が必要になってきたのでしょう。
また、土や上薬が同じでも絵が入れば絵唐津に、口周りを鉄釉で巻けば唐津皮鯨、窯の変化で緑色になれば青唐津、黄色になれば黄唐津などと名前も変化していきます。古唐津の奥高麗などもこの部類に入ると思います。
Simple is (the) best.シンプルな状態が一番いいという言葉が当てはまる部類でしょう。
◇絵唐津
絵唐津
 ◇絵唐津(えからつ)とは、一般に唐津焼で最も有名な装飾方で、鉄絵のある唐津はすべて絵唐津と呼ばれます。
唐津の窯で最も普遍的に上釉として用いられたのは、土灰釉か長石釉ですが、この釉下の地膚に絵を描けば絵唐津になります。その作振りは多様で、描かれている文様は李朝風の簡素なものから、美濃風の変化に富んだものまで多様であり、野の草花から花鳥風月や抽象的な絵柄まで描かれています。
その大半は鉄絵の上に土灰の混じった長石釉をかけていますが、色味も明るいものから暗い色、赤みから青みなど様々です。唐津では絵柄や文様が少しでも入ると絵唐津といっています。
◇斑唐津
斑唐津
◇斑唐津(まだらからつ)とは、唐津焼では起源が最も古く、藁などの硅酸分の多い植物(主に稲科)の灰を混ぜた半透明の白い上薬で、土や焚き物の灰などがかかり釉面の溶け具合が斑状になり変化しているところより名前の由来があります。
本来は普通の上薬でどれとこだわらない焼き物を焼くつもりでしたが上薬を配合する上で土灰の作り方に違いがあり木灰か草灰かどちらを主成分にするかで透明になるか乳濁かの違いでした。今日ではその窯変具合が見所となっています。
色味も様々で窯の中での火の変化で焼き上がるため、より自然的なものといえます。
◇朝鮮唐津
朝鮮唐津
◇朝鮮唐津(ちょうせんからつ)とは、唐津焼の中での黒(飴釉)と白(斑釉)の上薬の掛け分けて焼成されたものをいい、本来は白黒のコントラストをデザイン的に表現したもののようで革新的な装飾方法だったのすが、今日では合わさった所の絶妙な溶け具合・混ざり具合・流れ具合がもてはやされ主流となったようです。
また、高温で焼くため窯変ものが多く多彩な表情がうかがえ見所となります。
本来、朝鮮唐津とは叩き造りで何の変哲も無い飴釉を掛けて焼いた物、朝鮮のような唐津物といっていましたがいつの間にか白黒の流れの良い物を呼ぶようになったのは時代の要求や人々の需要がそうさせたのかもしれません。
◇備前唐津(唐津焼〆)
備前唐津 唐津焼〆
◇備前唐津(びぜんからつ)とは、叩き締めた赤い土膚に灰釉を薄くかけて焼いたもので、一見焼〆のように見れますがその錆びた色あいと土の締まり具合、そして強い織部好みのひずんだ形が備前茶陶によく似ているため、近来この類を備前唐津と呼ぶようになりました。
もとは朝鮮唐津といわれていたものですが、飴釉。藁灰釉のかけ分けの朝鮮唐津と区別するために備前唐津と呼ぶようになりました。
唐津では生地に土灰釉などを薄くかけて焼〆るため備前とは違う表情があります。
◇唐津皮鯨(かわくじら)
唐津皮鯨
◇皮鯨(かわくじら)とは、昔より先頃まで日本の各地でよく食していた鯨の身で、白く脂がのった肉と黒くなった皮膚の部分を切断部分から出た呼び名です。
本来の元々の目的は口周りの部分に鉄釉を施し焼成後よく焼〆まるため口を補強するためと思われます。
器内に絵がありこれを施したものは皮鯨と言わず、絵が無いものだけを称しています。
◇彫唐津
彫唐津
◇彫り唐津(ほりからつ)とは、素地の表面を鉋や篦などで彫り文を入れ装飾したものをいい、彫り文を入れたところによく梅花皮や上薬の濃淡などで景色が出ています。
人為的なデザインですがそれをより自然な雰囲気にするのが見所のようです。起源は古く文禄・慶長の役の頃、古田織部の指導が入ったと言われています。
斑釉をかけたものや黒釉をかけたものに彫文を施したものもありますが、普通は斑唐津、黒唐津と呼んでいます。
◇黒唐津
黒唐津
◇黒唐津(くろからつ)とは、他の分類に属さない暗くて黒っぽい釉膚の唐津をこう呼んでいます。
木灰と鉄の含有量が多い岩石とを混ぜ合わせた釉薬をかけ焼成したもので、鉄分の含有量の量や、原料の成分により、黒、飴、柿色などに変化します。装飾的には拘らない甕や壺などの民具に多く使われているようです。
単色の上薬ですが窯変などの変化したものが良しとされています。
◇青唐津
青唐津
◇青唐津(あおからつ)とは、一般に古唐津の窯で上等品でない器にこの手の上薬を施し焼いていたようです。たまたまこれが還元炎で焼かれているとグリーンの青磁色に発色して綺麗なのを見かけます。普通は暗い緑が多いようです。
上薬の生成過程で粗末なもので不純物の多い土灰と土石類とを混ぜ合わせ、量産ものに使われたようです。
その素朴さ故に唐津の素朴さとかみ合って現代の人々には癒やしの色として映り探求されています。土の色とか窯の焼成方法でいろんな色に変化しそれが見所になっています。
◇三島唐津(唐津粉引・唐津刷毛目)
三島唐津
◇三島唐津(みしま)粉引・刷毛目など朝鮮の三島の作風を倣ったもの。
刷毛目、彫三島風の線刻文、印花の他に、型紙により文様を出したものや白象嵌を施したものなど技法は多種多様です。
本来、焼き物とは白さにあこがれ発展してきましたがどうしても近辺で取れる白い土が乏しく色が付く土しかない場合、それで母体を成形し、少ししか取れない貴重な土を泥にし母体の表面をコーティングして白い焼き物にする工夫がこの装飾方法だといえます。刷毛で化粧土を塗ったり、一面にかけた化粧土を、絵を描く代わりに書き落としたりでその変化が見所です。